海を背にして山へ向かうと、空気がふっと澄んでいく瞬間があります。
その静けさに触れたくて、愛犬と一緒に茨城県常陸太田市にある「眞弓神社(まゆみじんじゃ)」へ向かいました。
今回の一番の目的は、神社に向かう途中に佇む「爺杉(じいすぎ)」。

単なる巨木ではなく、まるで森の長老のように訪れる人を温かく見守ってくれる存在です。
春の山歩きの記録とともに、眞弓神社と爺杉の魅力をご紹介します。
愛犬と歩く眞弓神社への山道
眞弓神社へ向かう際は、「真弓山自然公園」の広場に車を停めます。
この公園からは、遠くに太平洋を望むことができ、目の前には青い海が広がる気持ちのいい場所です。

ここが登山口となっており、参拝者はこの公園から山道を歩き始めます。
ここから先は自然豊かなハイキングコースです。
歩みを進めるにつれて、森の匂いがゆっくりと濃くなっていくのを感じます。
途中、石材を運ぶダンプカーが通る作業道と交差する場所があり、重機の音が響くこともあるため、足元や周囲には少し注意して進みましょう。

山の気配を全身で感じながら歩いていくと、やがて爺杉へと続く案内板が見えてきます。
樹齢約900年、森の長老「爺杉」
その案内に沿って山道を下っていくと、森が少しずつ深くなっていきました。
まるで別世界に入り込んでいくような、不思議な感覚。
その先で、静かに姿を現したのが爺杉です。

この杉は、茨城県の指定天然記念物にも登録されています。
推定樹齢:約900年
樹高:約45m
幹周り:目通り約9.6〜9.8m(根回り約12.8m)
かつては「婆杉」も並んで立っていましたが、明治17年(1884年)の火災により焼失してしまい、現在は爺杉だけが静かにこの山を見守り続けています。
爺杉の前に立つと、胸の奥がじんわりと温かくなるような感覚を覚えます。
幾千もの雨風に耐えてきた太い幹と、枝の間から差し込む柔らかな光。
その光の中にいると、「よく来たね」とやさしく迎え入れられているような気持ちになります。
しばらく爺杉を眺めたあと、再び山道を進みます。
神門をくぐって眞弓神社へ
爺杉をあとにしてさらに進んでいくと、立派な門が見えてきました。
山の中に佇む門とは思えないほど存在感があり、その造りにも目を引かれます。

門の向こうには、木々に囲まれた静かな参道が続いていました。
わんこたちが先を歩いていく後ろ姿を眺めながら、私も丁寧にお辞儀をして門をくぐります。
そして、さらに奥へ進んだところに眞弓神社の社殿があります。

木々が開けた少し高い場所に鎮座する眞弓神社。
ここまで歩いてきた山道の空気とはまた少し違い、自然と背筋が伸びるような気持ちになりました。
眞弓神社とは?歴史と由緒
ここで、眞弓神社について少しご紹介します。
眞弓神社は、常陸太田市真弓町の山あいにひっそりと鎮座する歴史ある神社です。

創建:大同2年(807年)
ご由緒:坂上田村麻呂が八所権現を祀ったことが始まりと伝えられています。また、源義家が戦勝祈願をした場所としても知られ、古くから人々の信仰を集めてきました。
長い年月、この山の中で人々の信仰を受け継いできた神社なのだと思うと、ここまで歩いてきた山道や爺杉の存在も、また違って見えてきます。
爺杉の静寂が教えてくれること
樹齢約900年ということは、坂上田村麻呂や源義家が生きていた時代から、爺杉はこの山の移り変わりを見つめてきたのかもしれません。
人の一生よりも遥かに長い時間を紡いできた木を見上げていると、自分が抱えていた日常の悩みや迷いが、ちっぽけなものに見えてきます。

言葉はなくとも、その静かな佇まいからメッセージが伝わってくるようです。
「そんなに急がなくても大丈夫」
「ちゃんと季節はめぐっていくから」
そんな優しさを手渡してもらったような気がしました。
山の神様に感謝。
森の長老・爺杉に感謝。
そして、一緒に歩いてくれた愛犬たちにも感謝を込めて。
静かなエネルギーに満ちた、素晴らしい山時間となりました。
眞弓神社・爺杉へのアクセスと参拝情報
参拝やハイキングを検討されている方へ、基本的なアクセス情報をまとめています。
| 項目 | 詳細 |
| 所在地 | 茨城県常陸太田市真弓町 |
| 駐車場 | 真弓山自然公園の駐車場を利用(無料) |
| コース | 駐車場から眞弓神社・爺杉まで徒歩の山道 |
| 注意点 | 山道のため歩きやすい靴・動きやすい服装がおすすめ。作業道付近は車両の通行にご注意ください。 |



コメント